幻の花....、夢の花.... 「この世にない花を描いてごらん」と言われて長女が描いた花の絵があります。そこで彼女が考えたタイトルが「夢の花」。いい題名を考えたなというのと同時に、屈託のない彼女が、どうしてこんなに暗く重い絵を描いたのか不思議でした。この作品は、このタイトルをいずれ使ってみようと思って暖めていたものです。 　靄の中に何かがある、あれは何？ 　ほのかな香りを辿っても、 　どこにもない、何もない。 　夢の花、幻の花、この世にない花。 　でも、じっと耳をすませば、 　輝く花が見える、幻の花が見える 　夢の花、幻の花、心の中の花。
（初演時プログラムノートより） 第１回「響宴」のために作曲 第１回「響宴」にて初演（1998） 指揮 近藤久敦　川口市・アンサンブルリベルテ吹奏楽団