「お話し」 お隣の藪さんの家はとっても大きな家だ。お金持ちだし子ども達の部屋もうちとは違ってとっても広い。 藪さんは、僕達にいろんなものをくれる。うちで作った野菜も買ってくれる。 でもね、藪さん、お向かいさんの新月さん一族と仲が悪いんだよね。新月さん達、なかなか藪さんの言うことを聞かないから、何かと言うと意地悪する。 藪さんの所のお嫁さんの実家の湯多屋さんが、新月さんの兄弟の浜須さんと喧嘩をしているっていうのもあるのかな。 湯多屋さんの方が力が強いから、浜須さんや浜須さんの友達、いつもボコボコにされちゃってる。 そりゃ、浜須さんだって乱暴な所はあるけど、湯多屋さんは「これは仕返しだ、乱暴者はやっつけなくちゃいけない」って言って、子どもまで殴ったり蹴ったりするんだ。 藪さん、お金持ちだし力も強いから、藪さんが言えば湯多屋さんだって少しは優しくなろうと出来るだろうに、藪さんったら、湯多屋さんの応援ばかりして、しかも浜須さん達をやっつけるための道具までいっぱい貸してあげてる。 これじゃ、浜須さんや新月さん、藪さんを嫌いになるのは無理ないよね。 この前、藪さん、新月さん一族の伊良久さんと大喧嘩して伊良久さんのおうちの中、めちゃめちゃにしちゃった。そりゃ伊良久さんのお父さんもお父さんだったかもしれないけど、伊良久さんの家の小さい子の部屋も壊しちゃったし、赤ちゃんまで殴られたんだってさ。 それ以来、藪さんは伊良久さんの家の人達、何かっていうと虐めてる。 藪さんは「いじめてるんじゃなくて伊良久さんの家をもっといい家に建て直すんだから文句を言う伊良久家の人を黙らせるためだ」とか「ほっとくと伊良久さんの家族の誰かが藪さんに悪いことするからだ」って言うんだけど・・・ホントなのかなぁ。 だってね、伊良久さんのおうち、建て直すのはみんな藪さんと仲良しの大工さんだし、元々、藪さんのこと伊良久さんや新月さん好きじゃないから、早く藪さんに出て行って欲しいって言ってるのになぁ。 なんで、いつまでも藪さん、伊良久さんのおうちの中にいて、大人も子どもも殴ったり蹴ったりしてるんだろう。 大人って不思議だね。 おうちのお父さんは、藪さんの機嫌が悪くなると大変だって言って、伊良久さんの家に藪さんがいるのに反対しないし、喧嘩の時も、いつも藪さんを応援してる。 藪さんとこの大きいお兄ちゃんが伊良久さんちの赤ちゃんを殴っても、うちのお父さんは「そういうこともある」って、とっても藪さんの気持ち、わかってるようなこと言うんだよね。 おうちのお父さん、僕のお兄ちゃんに伊良久さんのうちに行って藪さんを手伝えって言って行かせちゃったんだ。だから、おうちは、元々、新月さん達と仲よしだったのに、だからこの頃、新月さん達の子ども達ともあまり遊べない。 だって、おうちは、藪さんの家来だって言われちゃうんだもん。 あとね、とっても分からないことがあるんだ。 おうちのお父さん、家族会議を開いて伊良久さんと藪さんの喧嘩、藪さんの味方するかどっちの味方もしないか決めるって言ってたのに、家族会議が終わってからさっさと藪さんの味方するって一人で決めちゃった。 しかもね、お父さんったら家族会議が始まる前に、もう藪さんの味方しますって、たくさんのお友達に言ってたんだってさ。 「言ってるの？」って訊いても「言ってない」って言うしさ。 お兄ちゃんに伊良久さんとこ行って藪さんを手伝えっていうのも、家族会議終わるのを待ってから、勝手に決めちゃうし・・・しかも「うちの子をお手伝いに出します」っていうの、お外でもう言ってたんだってさ。 「決めてない」って言ってたのに、本当はもう決めてたんだぁ。 おうちのお父さんって、ウソツキなのかなぁ。 いつも、嘘はいけないって言ってるのになぁ。 お父さん、藪さんが伊良久さん殴ったりするの、文句言わないでしょ。それから湯多屋さんが浜須さん達いじめるのを見ても何も言わないでしょ。湯多屋さんに喧嘩の道具を貸してる藪さんにも何も言わないし、それどころか、応援したりしてるよね。 でも、おうちの中で兄弟喧嘩をしたりして、特にこの頃、ちょっと乱暴な喧嘩が大きくて、お兄ちゃんを蹴っ飛ばしたり蹴っ飛ばされたりすると「そういうのはよくない」って言うんだ。 「みんなで仲良くしなさい」「お互いに相手を大切にしなさい」ってよく言われる。 でもね、藪さんや湯多屋さんの応援しているお父さん見てると、お兄ちゃんや妹や弟を大切にして優しくしなくちゃって気持ちにならないんだよね。 僕って悪い子なのかなぁ。 僕・・・お父さんが藪さんや湯多屋さんに「乱暴すぎるからやめなさい」って言ってくれた方がいいなぁ。 それで藪さんがおうちで作った野菜を買ってくれなくなっても「正しいことは正しい、間違っていることは間違っている」って、お父さんには頑張って欲しいなぁ。 だって、おうち、そんなにお金持ちじゃないかもしれないけど、ちゃんとご飯はあるんだもん。 藪さんにお説教くらいして、それで伊良久のために伊良久さんとこにお手伝いに行くなら僕も行きたいくらいだけど、今のまんまじゃお手伝いに行っても、きっと藪さんの言いなりだし、伊良久さんや新月さんちの子ども達と、いつまでたっても遊べるようになんか、ならないよね。 僕は、みんなと仲良くしたいのになぁ。 藪さんは、知事時代に130人の死刑囚の処刑を実施させました。 今も「アルカイダ殲滅」を掲げて、いわば過剰防衛とも言える虐殺を行っています。 パレスチナでは石を投げただけで、幼子であっても射殺される。 藪家では、人の命って、とっても軽いんだろうなと思わざるを得ない。 命を軽んじる藪家に国益のためと言って尻尾を振る家長・・・次第次第に我が家でも命の重さ、軽くなったとしても不思議はないのかもしれません。 日常的に殺人が行われるパレスチナ、そしてイラク。殺戮者の味方をする政府。そんなのことがまかり通る世の中。 国益のため・・・ 国益のために、殺戮も暴力も許されるのだろうか？ 国益のために、国として、人としての尊厳やモラルを封印してよいのだろうか？ 小泉さん、もういい加減、辞めてください。 イラクで、あなた達は嘘ばかりついてきた。 年金法でも嘘ばかりついてきた。少子化の進行は分かっていた筈でしょう？ それを隠して年金法、国会を通したんだよね？ 道路だってそうだし、地方分権だってそうだし、結局、みんな骨抜き。 日本の金融の失われた10年、一番、無能をさらけだして何もせずに放置したのは、あなたの親分の森さんでしょ？ ずるずると既成事実を積み上げて、実質、憲法を骨抜きにする。 既成事実の積み上げで、日本を太平洋戦争への導いてしまった時代があったことをお忘れですか？ 嘘とごまかしで目先を乗り切ることしか出来ないあなたに、利益のために正邪の判断の目をつぶるあなたに、愛国心を説く資格はない。人の命の重さを説く資格もない。未来を語る資格もない。 あなたがいる限り、日本はよくなんないよ。 だって、あなたは嘘つきなんだもん。